- REPORT
2024.09.06
京都市企業立地セミナー「-日本は東京だけじゃない-海外企業進出の新拠点、京都という選択肢」開催レポート
海外企業等の更なる誘致に向け、インテグラル株式会社パートナーの佐山展生様、株式会社小西美術工藝社代表取締役社長のデービッド・アトキンソン様をお招きし、松井孝治京都市長とともに、ビジネス拠点としての京都の魅力と、海外企業等の誘致へ向けた展望を語り合うセミナーを開催しました。

登壇者
松井孝治氏(京都市長)
佐山展生氏(インテグラル株式会社パートナー・京都大学経営管理大学院 特命教授)
デービッド・アトキンソン氏(株式会社小西美術工藝社 代表取締役社長)
司会進行 関根和弘(朝日新聞GLOBE+編集長)
京都市長あいさつ

二人といない人材の集積地に
市長として「突き抜ける世界都市 京都」を公約に掲げました。世界中の人が観光地として訪れるだけではなく、京都に定住したり、関わったりする人を増やしたい。文化財は魅力のひとつですが、文化遺産都市でなく、息づいた生活文化都市でなければならないし、文化を育てるためにも、経済や産業基盤をより充実させたいと考えています。
京都は、千年以上の歴史の中で様々な人が訪ね、住み着くことで、色々な文化の良いところを汲み取り、古来の良さと混ぜ合わせながら近代都市として発展しました。
企業誘致を進めることで、色々な分野で二人といない人材の集積地となると同時に、すべての人々が互いに支え合い、個性を発揮しながらいきいきと活躍できる「居場所」と「出番」のあるまちにしていきたいと考えています。
飽きることがない、住みたいまちは企業として最大の魅力

関根
ビジネス面からみた京都市の優位性を教えてください。
佐山
地下鉄やバスなどの公共交通機関の便が非常に良い。また、タクシーも利用しやすく、新幹線や空港も近いので、他都市へのアクセスも良い。加えて、京都は大学生の人口比率が全国一高い「大学のまち」なので、企業との共同研究もしやすいですね。
アトキンソン
都市の大きさから考えて、これほど充実したインフラはあり得ないと感じます。国内外からたくさんの人が訪れるから、宿泊施設が充実しており、食べ物も日本でトップレベルに美味しいですね。
選択肢がたくさんある、豊かなまち

関根
海外企業の視点でみた京都市はいかがでしょうか。
アトキンソン
京都に住めば「飽きることがない」のは最大の魅力です。金融街のロンドンやニューヨークもそうですが、京都も週末になれば神社仏閣、大自然をはじめ、行きたい場所の選択肢がたくさんありますし、それらは、ほとんど自転車で行くことができます。社長が住みたいまちかどうかは大きなポイントです。
佐山
京都は「観光客が多過ぎる」とよく言われますが、生活圏の人口密度は低い。人が多いのは観光地や京都駅だけです。コンパクトな大きさの市内に有形無形のさまざまな見どころが点在していて、そこにいるだけで心地良さを味わうことができ、「場の密度」が濃いと感じます。
松井
アップル創業者のスティーブ・ジョブズが京都の苔寺で庭を眺めてリフレッシュしていたように、京都には、ビジネスパーソンからみた「非日常」がたくさんあります。それは、茶道や華道、香道だけではありません。生活の至るところに歴史や文化があり、私自身、今もっとも豊かなまちに暮らしているという実感があります。また、京都の文化は、長年にわたり醸成された、いわば「ぬか床」のようなもので、放っておくとすたれてしまうため、しっかりと手を加えないといけない。伝統産業と海外の企業等が混ざり合うことでイノベーションが起きれば、産業の活性化に繋がる。京都市には、こういったビジネスチャンスがあると考えます。
更なるまちの発展へ
関根
京都市の魅力を更に向上させるためにはどうすれば良いでしょうか。
佐山
例えば、行楽シーズンの観光地周辺は渋滞が発生するので、エリアを定めてLRT(Light Rail Transit)などの循環線を走らせ、行楽シーズンはマイカー規制をし、この循環路線の外側に駐車できるところをしっかり作るという方法がある。アメリカは本社が全米各地に広がっていますが、税制優遇を積極的にしていることが大きな理由です。京都も税制優遇し、本社を京都にする会社が増えれば、人が増えて更にまちも活性化します。
アトキンソン
京都は旧市街がなくなりつつあるので、京町家友の会の元会長としては、美しい町並みの保全に力を入れてほしい。
松井
いただいたご意見をしっかり受け止め、市政全体を見直して、議論を前に進めていきます。
様々な課題にどう立ち向かうのか。その答えの1つが、海外から京都に来ていただき、京都で混ざり合ってもらうことだと考えています。観光客も大歓迎ですが、海外企業の皆様のように、外から京都に来ていただき、京都に深く関わっていただける皆様のお声も聞いていきたい。素晴らしい大学や神社仏閣、伝統産業などを混ぜ合わせて、「日本に京都あり」、「世界に京都あり」と言われるようなキラキラしたまちを作っていきたい。ぜひ、セミナーにお越しの皆様にもその一端を担っていただき、「突き抜ける世界都市 京都」を実現させたいと思います。
