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2025.03.31
JETRO京都(京都貿易情報センター)~外国企業を誘致してエコシステムのグローバル化を目指す~
JETRO京都は、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の国内41カ所目となる拠点として、2015年1月に開設し、京都のグローバルな発展を支援する機関として、活動されています。JETRO京都が行う海外企業の誘致活動を中心に、所長の村上義氏にお話を伺いました。(取材日:2025年2月17日)

プロフィール
村上 義(むらかみ ただし)
1969年生まれ。獨協大学卒業後、1994年にJETROに入構。JETRO東京本部ではインフラプラントビジネス支援課長、秘書室長などを歴任。地方事務所は鳥取、徳島、海外事務所はハンガリーとチェコと中欧諸国2カ国で計約10年駐在。2024年9月にJETRO京都所長に就任。
JETRO京都とは
-はじめに、JETRO京都について教えてください。
JETRO京都では、京都企業の海外展開支援や京都府への海外企業の誘致等を目的に、国内外のビジネス情報の提供や京都企業と海外企業のマッチング、企業からの個別相談の対応等を行い、京都のグローバルな発展を支援しています。
日本企業と海外企業、双方向からアプローチできる「J-Bridge」
-海外企業の誘致活動については、どんなサポートをされているのですか?
大きく分けて2つあります。1つ目は拠点設立のサポートです。京都の市場動向、日本進出に必要な手続等の情報提供や、行政書士や弁護士等の紹介を実施しています。
2つ目は、ビジネスプラットフォーム「J-Bridge」による、国内企業と海外企業との協業創出のサポートです。現在「J-Bridge」には、2,734社の国内企業と、1,221社の海外企業にご登録いただいており(2025年1月末時点)、双方向からのリクエストによる、面談の設定や、国内企業の個別のニーズに応じた海外企業とのマッチングを行っています。また、協業・連携を検討する企業には、外部専門家やJETRO職員による個別相談も実施しています。

海外企業の招聘事業に注力し、イベント参加でリアルに交流
-近年は、どのような取組に注力されていますか?
京都の投資環境を肌で感じてもらい進出や協業・連携を促進することを目的に、海外企業の招聘事業に注力しています。令和6年度は「IVS2024 KYOTO」(※1)と「ZET-summit 2025」(※2)の2つのイベントで併せて海外企業8社の招聘を実施し、トークセッション、ピッチイベント、ブース出展、商談会、交流会等に参加いただきました。


(※1)IVS(Innovation Venture Summit)は、国内外の起業家・投資家等が一堂に会し、投資・協業先・人材等の獲得や、多様な人材の交流を契機とした新ビジネス創出を促進する日本最大級のスタートアップカンファレンス。
https://www.ivs.events/ja
(※2)京都府が推進する「ZET-valley構想」の一環として実施しているイベント。ZET-valley構想とは、脱炭素テクノロジー(Zero Emission Technology)の技術導入により、新事業創出と社会実装の推進を通して、カーボンニュートラル社会の実現を目指す取組。
https://www.pref.kyoto.jp/sangyo-sinko/innovation/zet-valley/index.html
―こうした招聘事業を通じて、どんな手応えを感じていらっしゃいますか?
京都のVCや企業、大学がとても協力的であると感じていただけたようで、「実際に京都のビジネスを感じることが出来てよかった。やる気がダイレクトに伝わってきた。」などといった声を招聘した企業からいただいています。
また、京都のビジネス環境を、海外に向けて発信する良い機会だと考えており、今回、招聘した海外企業は、「京都が海外に開かれたまちである」というメッセージを自国に持ち帰ってくれたと思います。招聘活動を続けることによって、京都がビジネス都市であるとの理解が浸透していくことを期待しています。
―京都というまちに対する感想なども聞かれましたか?
「大学のまち」ということで、若い人が多く、活気のある印象を受けたようです。また、京都発のスタートアップには大いにポテンシャルを感じるとも話を聞きました。京都には数多くのベンチャー企業を育んできた風土があるので、新しい産業を興すことに協力的であるという空気感が伝わるのでしょう。また、街中に外国人が多いこともあり、海外企業にとってはなじみやすいとも言っていました。

―今後の展望についてお聞かせください。
京都企業の海外展開支援や海外企業の誘致については、引き続き貢献していきたいと考えています。JETROでは各拠点で海外企業の誘致を行っているので、京都府、京都市と連携し、京都を選んでもらえるよう取り組んでいきます。
京都のビジネス面でのポテンシャルはまだまだ知られていない部分も多いので、世界に向けてアピールすることが大事だと思います。 また、京都府・京都市で立ち上げられた「京都半導体バレー構想」(※)についても、何らかの形でお役に立てればと考えています。
(※)「(仮称)京都半導体バレー構想」(令和6年11月7日骨格案作成)。京都市から関西文化学術研究都市までを含むエリアにおいて、半導体の素材研究からデザイン、生産、そしてEVやロボットへの実装まで、一貫して取り組んでいくという構想。
https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/cmsfiles/contents/0000334/334517/01handoutaikousou.pdf