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2026.01.20

株式会社一丁目一番地~伝統ある町家を利活用し、地域に根付いた文化と景観を次代に継承したい~

株式会社一丁目一番地の代表取締役、中村星斗様にお話を伺いました。
一丁目一番地は、日本の伝統建築の魅力や全国の町家・古民家を紹介するWebサイトの運営や町家・古民家専門の不動産マッチングサービス等を行う「伝統・文化×まちづくり」事業と、企業のPR・採用広報の支援事業の二軸で活動をしている会社です。
同社は、町家・古民家に関する事業を拡大するため、昔ながらの街並みが残っている地域への移転を検討していました。そうした数ある候補地の中から、「伝統・文化×まちづくり」事業と最も親和性の高いまちとして、京都を拠点に選びました。
今後は、まちづくりの切り口から地域を盛り上げ、その地域に根差した魅力を感じる場所を残したいという思いや、同社が関わって京都の素晴らしい取組や多くの熱量の高い人の活動を他の地域にも広げていきたい、という展望を語っていただきました。

取材の詳細は下記から。(取材日:2025年9月29日)

プロフィール

中村 星斗(なかむら ほしと)
1986年生まれ、大阪出身。テレビ番組制作会社でキャリアをスタートし、その後、建築・印刷・PRなど異業種で経験を積み、2014年より株式会社OKANのPR、人事などの複数領域に携わる。2022年、株式会社一丁目一番地を創業。町家や古民家の魅力を伝える活動や、企業のコミュニケーション支援を行っている。

一丁目一番地とは

-はじめに、御社の事業内容について教えてください。

「伝統・文化×まちづくり」事業では、日本の伝統建築の魅力を伝える情報発信サイト「ケのハレ/KEnoHARE」(※1)、町家・古民家のマッチングサイト「デジタル町家バンク」(※2)、を運営しています。地域の文化を育んできた建物を残したい人と、そこに住みたい人をつなぐ活動を行っています。
コミュニケーション支援事業では、企業のPR・採用広報の支援を行っています。月額制や年額制といった定額制ではなく、必要なタイミングで、必要な量だけ活用いただける、チケット制を導入することで企業の皆様の需要の波に柔軟に対応しているのが特徴です。

ケのハレ/KEnoHARE(右) デジタル町家バンク(左)

※1 「ケのハレ/KEnoHARE」 https://www.kenohare.com/
※2 「デジタル町家バンク」 https://www.digital-machiya-bank.com/

-とてもユニークな社名ですが、命名の由来をお話しいただけますか?

何か新しい挑戦をする際、その「最初の一歩目」を踏み出すお手伝いをしたいという想いを社名に込めました。未知の領域への挑戦は、知識がないと億劫になりがちです。そのハードルを少しでも下げ、スタートを後押しできる存在でありたいと考えています。

「町家の日」のイベント協力から育まれたご縁で京都へ

-「伝統・文化×まちづくり」事業は、どのような思いから始められたのですか?

私自身は大阪出身ですが、親族が京都や石川にいて、昔ながらの街並みに子どもの頃から慣れ親しんできました。しかし、帰省のたびに町家が減り、景色が変わっていくことに寂しさと危機感を覚えたのが原体験です。最近になって、京都や北陸等の街並みが素敵な地域を改めて訪れた際に、町家や古民家がさらに減り、まばらに点在する様子を見て、なるべくたくさんの方に姿を消しつつある伝統建築の美しさや価値に気づいて欲しいと思い、全国の町家や古民家とそれに関わる人々を紹介するサイト「ケのハレ/KEnoHARE」を2022年に立ち上げたのが始まりです。

-どのような経緯で、不動産マッチングサービスを手がけられるようになったのですか?

はじめは個人的な活動として「ケのハレ/KEnoHARE」だけを運営していたのですが、取材した各地の有志団体や空き家バンクなどから「物件情報がなかなか人々の目に届かない」という課題をよく耳にしたため、2024年に全国の自治体や町家バンク、空き家バンク、地域の不動産会社と連携して物件情報を提供するサイト「デジタル町家バンク」をスタートしました。

自社の運営サイトやSNSで、全国の町家・古民家を取材して発信している。
(左は福島県「大内宿」、右は徳島県「うだつの町並み」)

-東京で創業されたそうですが、京都に拠点を移された理由をお話しください。

前職の関係で東京に住んでいたので、東京で創業しました。当初はPRや採用の支援事業が中心で、東京に拠点を持つことに特に不自由はありませんでした。しかし、町家・古民家に関する事業の拡大を考えたとき、昔ながらの街並みが残っている地域を拠点としたいと強く思うようになりました。移転先の候補に挙がったのは、京都、金沢、富山です。その中で、以前からつながりのあった京町家情報センターと「町家の日」(※)のイベント協力などを通じて、市内の企業との連携がうまく進んでいたことが、京都に決める大きなポイントとなりました。私たちの事業と最も親和性が高いと感じ、拠点を移す決断をしました。

※「町家の日」=3月8日。町家の中に蓄積されてきた暮らしと建物の知恵や工夫を再評価し、町家の伝統的価値を知ってもらい、町家の保全と再生を図ることを目的に、毎年様々なイベントが行われている。3月をMarch(まーち)、8日を(や)として「まちや」と読む語呂合わせにより、京町家情報センターが制定した。

町家・古民家事業のみならず、企業のコミュニケーション支援にも親和性が高いまち

-京都へ進出されるにあたって、京都市からはどのようなサポートを受けられましたか? また、どこでそうした情報を得られましたか?

京都に進出することに決め、京都市内でコワーキングスペースを探しているときに、Kyo-workingサイトに出会い、様々な支援制度があることを知りました。最初の1年ほどは東京と京都の二拠点で、状況確認をしながら検討していたのですが、お試し立地支援制度と初進出支援制度を活用させていただき、とても助かりました。また、身内が京都にいるとはいえビジネス上の地縁はなかったので、京都市職員の方から京都の町家の現況などを伺うことができ、参考になりました。

-京都で活動してみて、進出前のイメージと異なる点はありますか?

京都の人はコミュニケーションが特徴的と聞いたことがあり、少々不安に思っていたのですが、そんなことは全くありませんでした。真摯な思いを持って飛び込む人を温かく受け入れてくれる「懐の深さ」があります。
京都を選んだのは町家・古民家に関する事業との親和性が高いまちと考えたからですが、もう一つの事業である企業のコミュニケーション支援にも、京都のまちの特性がプラスに働くことに気づきました。年中行事を通して季節を感じるといった文化が考え方に影響しているのか、伝統・文化やクリエイティブな仕事に携わる人を中心に、京都独特の思考を持つ面白い人がたくさんおり、そうした方々と連携して活動することが、支援先の企業にとっても大きなメリットになっています。

新しいことにチャレンジするとき、手助けしてくれる人がいる環境

―ビジネス拠点として、京都のどんなところに魅力を感じますか?

まず、大学や研究機関、官民などの距離が近いこと。そして、人と人とのつながりが比較的近く、手を貸すことに積極的な方が多いところです。ビジネス上の関係でありながら、まるで「親戚のおじさん」のような距離感で接してくださることもあり、新しいことを始めたいと話すとキーパーソンを紹介してくれます。しかも不思議なことに、いろんなコミュニティに市の職員さんが参加されていて……(笑)。弊社のように数人規模の小さな企業に対しても、「じゃあ、市の何々課と相性が良さそう」などと相談先をご紹介いただいたのは一度や二度ではありません。行政と民間、大学などの距離が近く、応援してくれる人がすぐそばにいる環境は、京都ならではの魅力ですね。

―今後の京都での事業展開についてお聞かせください。

「伝統・文化×まちづくり」を掲げていますが、まちづくりの領域に関してはまだまだなので、スタッフも増やしてさらに事業を広げていきたいと思っています。たとえば、話題性のある店をエリアに呼び込む、コミュニティや複合施設を作る、地域の企業と連携するなど、方法はいろいろあり、そこに根差した文化の漂う場所を残していきたいと願っています。また、広報から関わっていくことも考えています。京都には、すでに素晴らしい取組をしている人や熱量の高い人が大勢いるので、当社が関わることによって、それを他の地域にも展開していけたらいいですね。せっかく京町家に関わっているのだから、近い将来、京町家にオフィスを移転して、イベントなども行いたいと構想を練っているところです。

―これから京都進出を検討している企業の方にメッセージをお願いします。

新しく来てビジネスの挑戦をする人に対して、官民ともに支援が行き届いているので、京都進出は魅力的な選択肢だと思います。私自身の経験からおすすめしたいのは、まずKyo-workingサイトを閲覧し、進出企業への支援制度について把握すること。次に、QUESTION(※1)でアドバイスを受けること。そして、SIGHTS KYOTO(※2)で地元の人とつながること。最初はこの3つを押さえておけば、バッチリではないでしょうか。QUESTION やSIGHTS KYOTO のイベント等へ行けば、きっかけを作ってくださる人に出会えるのも京都の魅力だと思います。

※1 QUESTION:コミュニティバンク・京都信用金庫が運営する、コワーキングスペース・レンタルスペース・コミュニティキッチンが利用可能な共創施設。
https://question.kyoto-shinkin.co.jp/
※2 SIGHTS KYOTO:京都・東山にある、観光案内バー・コワーキングスペースを兼ね備えた複合施設。
https://sights-kyoto.com/

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