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2025.03.04
株式会社スタジオコロリド~クリエイティブな感性を刺激する京都のまちにこだわった作品づくり~
スタジオコロリドは、劇場用アニメーションやコマーシャル映像等の企画・制作を行う会社です。2011年8月の設立以来、現実とファンタジーが融合した世界観を持ち味とするオリジナル作品を制作。これまで東京都内を中心に活動してきましたが、2023年3月、京都にスタジオを開設しました。京都の環境や採用活動などについて、プロデューサーの迫田祐樹氏と京都スタジオ室長の江部我空氏にお話を伺いました。(取材日:2024年12月6日)

プロフィール
迫田 祐樹(さこだ ゆうき)プロデューサー<写真右>
京都市在住。通信会社、総合広告代理店を経て、アニメ企画&制作会社を起業し、MV〜映画の映像プロデュースを行う。2021年に京都に移住し、京都のエンタメ産業の盛り上げに着手し始める。スタジオコロリド京都スタジオに参画し、チーム組成や作品プロデュースを行う。プロデュース領域は、アニメ、webtoon、オーディオドラマ、ポッドキャストなど。
江部 我空(えべ がく)京都スタジオ室長<写真左>
1996年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後2019年4月に株式会社ツインエンジン入社。グループ傘下の株式会社スタジオコロリドに配属のもと劇場作品やCM作品の制作に従事。翌2020年4月に同社転籍。以降10数本のアニメーション作品の制作で実績を積み、2023年3月より京都スタジオ室長を務める。
株式会社スタジオコロリドとは
-はじめに、スタジオコロリドについて教えてください。
江部さん
当社は、劇場長編映画やミュージックビデオ、ショートムービー、コマーシャル映像等の作品を扱う、デジタル作画を強みとしたアニメーション制作会社です。現在、東京都内4か所と京都にスタジオを構えて活動しています。

-東京都内に複数の拠点を持ちながら、京都に進出された理由をお聞かせください。
江部さん
京都には美大を含む大学が多く、ポテンシャルの高い若い人材を採用しやすいというメリットがあります。それに加え、京都スタジオのオープニングメンバーを募ったときに、「京都なら行きたい!」と手を挙げてくれたスタッフが多かったことや当社のアニメーターが京都の大学で講師を務めることになったことから京都を選びました。
京都の環境は住みやすく、作品づくりにも活かされる
―京都スタジオが実働して気づいた京都の良さがあればお話しください。
迫田さん
京都のまちと、私たちのようなコンテンツ企業との相性の良さです。京都のまちはクリエイティブな感性に刺激を与えてくれるように思います。自然と繁華街が近く、寺社も多いため、ちょっと歩いただけで街並みが変わるところは非常に魅力的です。
江部さん
私は、東京近郊から京都に移住したのですが、同じ家賃で広い部屋に住むことができ、自然環境に恵まれている上に交通至便であるなど、暮らしやすさを実感しています。また、一緒に京都へ来た関西・北陸出身のスタッフは「実家に帰りやすくなった」と喜んでいます。

―京都市では進出企業のコミュニティ形成のための交流会(※1)なども実施していますが、ご参加いただいた感想はいかがですか?
迫田さん
なかなかお会いできないような地元企業のトップの方たちがお集まりになるので、価値があると思いました。できることなら、その後、継続的につながれるような仕組みが欲しいですね。東京と違い、京都は専門特化した業界が個々に伝統や技術を守り続けてきたところに価値があるのですが、その構造ゆえに横のつながりができにくいように思います。その分、行政などが横のつながりを広げていけば、さらに産業が発展するのではないかと思います。
※1 進出企業コミュニティ形成イベント「Kyo-working交流会」
進出企業が進出企業同士や市内学生、地域企業、支援機関等と交流を図るイベント
仕事と人、京都スタジオならではの出会い
―京都スタジオだからこそできた協業の事例等があれば教えてください。
江部さん
中京区役所からの依頼で、区のPRアニメを制作しました。これは京都にスタジオがあったから実現した仕事といえます。四条の「よんからクロス」(京都エリア最大規模デジタルサイネージ)や市内の映画館で上映前のCMとして流れると伺い、京都のまちの情景描写にとことんこだわって取り組みました。
迫田さん
この話は、中京区役所からインタビュー取材をお受けしたことがきっかけで始まりました。京都スタジオの取組や京都のクリエイティブ産業の展望についてお話ししたところ、担当職員さんが「ぜひ協業したい」と企画を練って予算を集めてくださったのです。当社でお力になれるならと協力させていただくことにしました。
―京都スタジオ設立の狙いでもあった採用面はいかがですか?
迫田さん
東京と京都で同時期に募集するのですが、京都スタジオ専願で応募してくる人もいて、京都スタジオだからこそ出会えた人材だと思っています。我々の会社では、学生たちに声をかけ、ボードゲームを楽しみながらコミュニケーションを取る交流会も実施しています。こういったレクリエーションを行うと、何か問題が起こったときに、その人がどういう課題解決思考を持っているのか、実地で見ることができるのです。学生側も、私たちの様子を見て、職場の雰囲気を見ることができ、お互いにとって貴重な出会いの場となっています。これもいわば採用活動の一環ですね。実際に制作実績などを持ってきてくれる学生もいますし、こうした集まりがきっかけで京都スタジオに入社したスタッフもいます。
―京都市主催のコンテンツ企業向け採用イベント「京都クリエイティブ企業キャリアフォーラム」に参加いただいた感想をお聞かせください。
江部さん
これまでに2回参加させていただき、そこでの出会いから中途採用したスタッフもいます。まだ本格的な就職活動を始めていない学生等、普段の採用では会わない方も来られて熱心に質問してくれるため、非常に有益な場だと感じています。
スタッフを増やし、京都だからこそできる作品を
―京都における今後の事業展開についてお聞かせください。
江部さん
今は15人程ですが、今後もスタッフを増員していきたいと考えています。2025年度の新卒採用では、4人を採用しました。今後は京都スタジオだけで制作する作品を増やし、内容的にも、京都のまちにこだわった作品づくりをしたいと考えています。
―最後に、京都進出を検討されている企業に向けて、メッセージをお願いします。
迫田さん
率直にいって、京都に来たからといって劇的に採用がはかどるとか、新しいプロジェクトが持ち上がるというようなことはありません。ただ京都は、自然と文化と経済のバランスがすごく良くて暮らしやすいので、京都に住むと心と体の健やかさは確実に担保されるでしょう。これほど植生が豊かな土地が、経済圏のすぐ近くにあるのは、非常に珍しいケースだと思います。あと、街中がきれいなことにも驚きました。歩道の整備や無電柱化といった市の取組の成果でしょうか。まちづくりに美意識が感じられます。
江部さん
京都の街並みは、クリエイティブに携わる人にプラスの影響を与えるように思います。エンタメビジネスに関わる企業には、マンガ・アニメ・ゲームなどエンタメ産業都市である京都にぜひとも拠点を設けていただき、京都のクリエイティブ産業を一緒に盛り上げていきたいですね。
